「鋼用表面処理の基礎知識と最新動向」特集号発刊によせて

摘要

しゅう動材料はトライボロジー技術そのものと言っても良く，特に部品の機械的機能と潤滑機能の両立が図れる表面処理は古くから利用され，今日でも重要な位置を占めている.特にDLCコーティングに使用される物理蒸着法（PVD)や化学蒸着法（CVD)は，従来のめっき等を超える様々 な機能を付加することが期待でき，低摩擦，低摩耗などの機能を持つものは，近年の省燃費要求などの追い風もあり適用範囲の拡大が続いている. 一方，これに取って代わられる旧来の表面処理も，比較的安価でありながら市場での様々な要求に合わせ多様な発展を遂げ現在に至っている.これらの成熟した技術を単に古典としてみるだけでなく，発展の経緯や性能の長短所を理解すれば，まだまだ多くの適用範囲があると期待できる.本企画では新旧含め市場でよく見かける表面処理のそれぞれの開発の歴史，今日における応用の具体例，今後の課題などを広くご解説いただいた.