新たな司書養成提案にみる大学図書館員養成についての課題

摘要

今，世界的に図書館学や図書館員養成の見直しが積極的に行われている。日本では日本図書館協会がかねてより現行の図書館専門職である司書の能力開発のためのステップ・アップ研修制度を設け，能力向上の機会を現職者に提供するとともに，従来の司書よりも高度で，現代の図書館界のみならず広く社会一般の期待に応える能力を有する司書を，従来の「司書」資格とは区別して，「上級司書（仮称）」として認定すべく，上級司書検討チームを設置した。このチームはすでに第1次，第2次，第3次の検討結果を公表するとともに，現在は日本図書館協会による実施に向けて，常務理事会での承認待ちの段階にまで至っていると言う。