第119回成医会葛飾支部例会

摘要

2014年7月から小児外科医が常勤医として配置された.それまでは本院から小児外科医が週1回来て，おもに鼠径ヘルニア類の手術を行い，急性虫垂炎などの手術は一般外科医が対応してきた.そのため，2003年1月から20014年6月までの11年6か月間で402例の小児手術が行われていたが，259例（64.4%)が虫垂炎および術後遺残膿瘍に対する手術であった.また68例（16.9%)が鼠径へルニア手術，16例（4.0%)が停留精巣手術であり，虫垂炎関連手術と合わせて85.3 %と大半を占めていた.小児外科医が常勤となるに当たり，麻酔科や手術室と協議し全身麻酔の適応を1歳以上，術後ICU入室が不要な症例と制限を設けた上で手術を開始し，これまでに293例の手術をおこなってきた.疾患の内訳は鼠径ヘルニア類82例，停留精巣·移動性精巣51例，虫垂炎77例，メッケル憩室·消化管ポリープなどの消化器疾患11例，膀胱尿管逆流や先天性水腎症などの泌尿器疾患23例，漏斗胸手術2例，皮膚·皮下腫瘤9例などであり，手術内容は多彩となった.また，積極的に鏡視下手術を導入した.これまでの手術症例を紹介すると共に，これからの課題と目標を検討する.