伊勢志摩サミット開催時の伊勢湾における海上交通実態

摘要

2016年5月26,27日に主要国首脳会議G7伊勢志摩サミットが志摩巿の賢島で開催された。これに伴い、各国首脳の安全や利便性を確保するために各所で交通規制が実施された。計画では中部国際空港入りする各国首脳らは、ヘリコプターと乗用車を乗り継ぎ、会場へ向かう予定であった。しかし、26日は神島上空が厚い雲に覆われ、志摩巿に設けられたヘリポート周辺も視界不良のため、ヘリコプターが使用できなかった。同日朝に中部国際空港に到着した3名の首脳らは、伊勢湾岸自動車道や東名阪自動車道、伊勢自動車道などを通り会場入りした。愛知、三重両県警は各首脳の車列を警備するため、愛知県内から三重県内に向かう車線で一時、一般車両を通行止めにした。また、会場周辺では、開催日の数日前から特別警備体制が敷かれ、期間中は賢島への近鉄電車が運休になるなど、大きな混乱はなかったものの、地元の生活に少なからぬ影響があった。本稿では、サミツト期間中の海上交通の様子について調査した結果を報告する。