循環型エネルギー社会の未来デザイン: 100年後にありたい姿をともに考えよう

摘要

我が国の省エネ技術や環境対策技術は大幅に進展したが，エネルギーの消費速度は，環境 の修復速度を超え，経済成長の速度は伸び悩みの傾向にある。すなわち，我々は，「経済の持続的発展」,「資源•エネルギー•食糧の確保」,「地球環境の保全」からなる3つの克服す べき課題（トリレンマ問題）に直面している。この解決のためには,互いに複雑に絡み合う個々 の要素をデカップリングし，「経済成長の速度」と「地球再生の速度」をバランスした社会を目 指す必要がある。また，資源が有限な中，Recycleすることを前提にした計画された生産シス テムの構築や，「地球（自然)」と「人（社会)」が融和した社会をデザインすることが重要であ ると考える。本報告では，このような社会を目指した循環型エネルギー社会のデザインの方向 性について議論する。