電力用コンデンサの誘電体に関する最新技術動向調査専門委員会

摘要

2020年4月からの発送電分離に向けて電力会社の組織改編が進められる中，電力供給システムの安定化を図ることは非常に重要である。電力用コンデンサは電力系統の調相機能や力率改善など電力の有効利用に大きく寄与してきた。現在主力となっているフィルムコンデンサは，1980年頃から紙-フィルム誘電体のタイプが運転開始し，1990年頃からオールフィルム誘電体のタイプも運転されており，寿命評価を進められる運転実績ができあがってきている。使用条件に伴う寿命への影響などについて評価を進めることで，今後の系統運用の安定化に寄与することができると考えられる。また，変換器の普及により交流用に加えて直流用コンデンサの活用が増加しつつあるが，新たな誘電体の開発状況や，コンデンサの難燃化，環境負荷低減を目的とした高機能化の状況を調査して将来的なコンデンサの活用に向けた最新の動向についてまとめていく。