計算機の中に，宇宙の意思を見た: 世界初小型純電気式計算機発明者からのメッセージ

摘要

樫尾俊雄発明記念館は小田急線「成城学園前駅」を降りて徒歩20分ほどのところにある。成城4丁目，閑静な住宅を抜けると，その記念館は静かに佇んでいる。今回，本学在学中の大学院生2名を伴い訪問する機会を得た。カシオといえば，すでに多くの方々が知っているように，小型電卓や時計，それにエレクトーンなど身近な電気製品を生み出している会社である。今回訪問して初めてその創業者であり，またこの記念館に名を残す樫尾俊雄氏の本当の心に触れたように思ラ。この電気学会企画の訪問に.早朝にもかかわらずお忙しい中ご案内くださった方は副館長をお務めになっている染谷薫氏である。ご自身も電気学会に所属し，10年前は電波時計受信システムにかかわるご研究をされてきた方であり，また偶然にも私が勤めている大学のOBでもある。同氏の師事された先生には私自身大変お世話になっており，親近感を持ってご説明をうかがうことがでぎた。