文献紹介

摘要

両親媒性の高分子RAFT（付加と解裂が繰り返し可能な連鎖移動剤）化合物を使用して首記ブロックポリマーをエマルション重合で合成した。両親媒性高分子連鎖移動剤を使用したエマルション重合でスチレンブロックポリマーを作り，続いてプチルアクリレイトを重合してスチレンとプチルアクリレイトのジプロツクポリマーとし，さらにスチレンを重合してトリブロックとする。デッドポリマーは数パーセントと非常に少なかった。塗膜の抗張力は組成比に比例し，スチレン量が50％に至るまでは直線的に増加する。最大強度は，スチレン量が40～50％の範囲で，500％の破壊伸び率を保ちつつ10MPaに達した。ポリプチルアクリレイト成分が60％を超えると分子量分布が劇的に大きくなる。おそらく，相分離が粒子内で起こっていると考えられる。