レーザ超音波法による加熱材料の非接触温度プロファイリング

摘要

超音波は工学，工業の様々な分野で活用されている。可聴音に比べて周波数が格段に高いため，その音響指向性を生かした様々な計測手法が提案されている。その計測手段としての多様性は，媒体中での弾性波伝搬挙動の多感性に基づいている。すなわち超音波が媒体中を伝搬するとき，その伝搬挙動は媒体の材料特性(弾性特性，密度)ゃ微視構造，更に力学的境界条件を反映するため，それを積極的に活用することで多彩な計測，評価，モニ夕リングが可能となる。その安全，簡便，汎用的という特徴は捨てがたい魅力となっている。パルス波や連続波を用いた超音波計測手法は成熟した感があるが，何等かの工夫や改良を加えることで計測手段としての新たな展開も期待される。最近の超音波送受信デバイスの高性能化や信号処理技術の進展，更に超音波センシングとIoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)との融合を踏まえると，これまで不可能とされていた難計測場への適用も現実味を帯びてきている。