「日本のマスコミはどうなっているのか」

摘要

7月25日，中央大学，都立・首都大学，早稲田 大学3分会の合同研究会が中央大学で開催され， 塚本三夫氏（中大）の「マスコミの戦後とは何であっ たのか」，伊藤守氏（早大）の「日本のマスメディ アはどうなっているのか」の報告をもとに，議論 をした．報告では，①現在在の日本のマスメディア の権力追随姿勢，営業至上主義（新聞の発行部数， テレビの視聴率至上主義）が，戦前来の権力によ る情報統制（国会記者クラブや電波法）とそのも とでの権力ブロックと情報を独占する大新聞，キー 局との利害の一致という基盤のもとに成立してい る，②1946年3月18日の経営権の勝利宣言とし ての「編集権」声明や60年安保闘争に水をさし た1960年6月17日の「7社共同宣言」などに見 られるように，戦後においてもかなり早い段階か らマスメディアは権力と対時する姿勢を失ってき た，③インターネットや携帯電話などのメディア 環境が激変する中，マスメディアは「今のうちに 稼いでおきたい」という衝動に突き動かされてい ることなどがリアルに語られた．