持続可能な経済か，それとも縮減か？

摘要

M・ワカナゲルたちは，「人類のエコロジカル・フットプリント（地球の資源供給と汚染物吸収に必要な土地面積の指数）が1980年代に入る直前から地球の扶養力1.0を上回るようになり，1999年にはついに地球の扶養力を20%も上回る1.2強に達している」という衝撃的なデータを公表した．1972年に『成長の限界』（ダイヤモンド社）を世こ問い，産業革命以来の無限の成長信仰に初めて疑問を投げかけたデニス・メドゥズたちは，それから30年後の2004年に，『成長の限界，30年アップデート』（ダイヤモンド社）を著し，ワカナゲルたちの結論を追認し，この「行き過ぎ」を是正しなければ「破局」は必至だが，人類の決意次第ではまだ間に合う，との警告を発した．