国家公務員の退職手当引き下げの問題点-公務労働者の権利侵害， 公務運営の公正•中立性を脅かす

摘要

国家公務員の退職手当制度は，明治時代の政府職員 の官吏の恩給制度および雇傭人の退職手当制度からス タートしていると思われる.終戦前には，各省庁バ ラバラで制度が存在し，運用されていたが，終戦後 にそれらを全廃し，統一のとれた新しい退職手当制度として1947年3月29日に「退官•退職手当支給 要綱」が閣議決定され，これにもとづく 「退官·退 職手当支給準則」が定められ，官庁職員給与制度改 正の1946年7月1日に遡及して実施された.その後， 1949年5月11日からは初めて法制化され，幾多の改 正等を経て現行の「国家公務員退職手当法」に至る.