「憲法改正論争事態」と 公教育の責務一主権者教育の基本構造にたちかえって

摘要

「憲法改正論争事態」とは，最も根源的な意味において，主権者国民が，どんな法規範を政府と権力に課すべきかをあらためて議論し再決定していく期間を意味する.だからこそ，権力はそのための国民の知的な探究の自由（学問の自由），学習の自由の過程に対して，干渉しないという意味での中立の規範を守らなければならない.また公教育は，そのような主権者の学習過程，探求過程を支えるという立ち位置をとることが求められる.その具体的な内容を検討する.