鳥取都市計画火災復興土地区画整理事業における公園計画と空間特性に関する研究

摘要

In 1952, a great fire destroyed approximately 70% of Tbttori City. During recovery, the "lbttori City Fire Revival Land Readjustment Project"was implemented over approximately 180ha(540,000 tsubo)centered on the razed area, creating parks and land for public use. The project was the first implemented after enactment of the Fireproof Building Promotion Law and is an important case example underlying subsequent policies. This study aims to clarify the park planning from implementation of the "Tottori City Fire Revival Land Readjustment Project"after the 1952 Great Tbttori Fire and the park space characteristics.%公園は、憩いや遊びの場を提供するほか、災害時の避難場所や防火帯といった防災機能の面でも重要な都市施設である。鳥取市では、昭和27年4月17日に起きた戦後最大といわれる大火によって市街地面積の約70％を焼失した。火災復興にあたって、鳥取市は不燃都市の実現を目指し、焼失地域を中心に約180ha(約54万坪)にわたって「鳥取都市計画火災復興土地区画整理事業」(以下「鳥取火災復興事業」)を施行した。同事業では、街路の拡幅や公園及び公共用地の整備、そして防火建築帯の建設が実施された。『復興計画』でも指摘されるように、耐火建築促進法(昭和27年5月31日制定)が成立してからはじめての計画であり、その後、普及するようになる防火建築帯の嚆矢となった事例として位置づけられる。近年、防火建築帯に関する先行研究が公刊されつつあるが、その先駆例として鳥取に着目した研究も少なくない。それに対し、同時並行で進められた公園計画に関しては、『鳥取市大火災誌(復興編)』に、墓地移転をともなう公園整備の当初計画が取り上げられているものの、その後の計画変更や実際に完成した公園の空間特性については明らかにされていない。墓地移転をともなう土地区画整理は、戦災復興計画で本格的に導入され、例えば、名古屋市の平和公園の事例が報告されている。戦災復興の公園計画は、通常の都市計画とは異なり、高い水準の計画標準のもとで事業化されたため、特に注目されてきたが、それにつづく戦後の地方都市における公園計画、とりわけ本稿で扱う墓地移転を含む公園計画については、十分な検討が行われていない。