多目的コモンスペースを中心とする空間接続からみたキャンパス建築の公開性大学キャンパスにおける建物による公開性に関する研究（3)

摘要

The purpose of this study is, focusing on the "multipurpose common space", to consider arrangements of rooms in order to reveal the openness of "campus architecture". First, the multipurpose common space and adjacent rooms were grasped as a "common space continuum" and organized as "basic model" and "hierarchized model". Secondly, the composition of building which combined them were considered to reveal the openness of "campus architecture" such as the composition which has several same kinds of "basic models" and the one where a single "hierarchized model" emerges on the whole elevation surface and faces a place like a square.%近年、大学キャンパスでは、学修形態の多様化に応じて柔軟に利 用されるラーニングコモンズゃ、エントランスや廊下などの動線空 間の延長として様々な人々の交流がなされるラウンジなど、多 目的に利用されるコモンスペースがみられる。こうした多目的 コモンスペースは、隣に図書館や食堂等の公開的な空間があること で一体的に利用されたり、講義室や研究室などの従来の教育研究空 間の中で交流の場を提供したり、また、テラスやピロティ等の外部 空間や、正門やモールといったキャンパス内の場所に面することで、 建物の内外が繋がるなど、単独ではない連続した空間を形成してい る。こうした室どうしや建物内外をつなぐ空間は、特定の利用者に 限定されない多様な人々に利用されるものであり、建物の公開性 が形成されていると考えられる。