東日本大震災からの復興による土地利用変化とその背景に関する研究(その1): 中心巿街地における復興土地区画整理事業前後の土地利用変化とその背景岩手県大槌町町方地区を事例として

摘要

2011年3月の東日本大震災の発災後，各被災自治体は，復旧·復興のための空間計画を策定し，その実現のために尽力した.国は，この復興空間計画の実現のために必要となる40事業を「復興交付金基幹事業」として定め，それに対して通常の補助に加えて追加的な国庫補助と地方交付税の加算を行った.その結果，各自治体は，基本的にはこの40事業を組み合わせることで，実質的には地方負担がない中で復興空間計画の実現を図った.基幹事業の中の面的都巿整備手法の一つが，被災巿街地復興土地区画整理事業(以下，「区画整理事業」)である.この区画整理事業は20巿町村58地区において行われ，9,348戸の区画の供給が予定されている.2017年末には79%,18年末には96%の宅地が供給され，震災から9年が経過した2019年度末にはすべての宅地の供給が完了する予定である.