地方小都市における歴史的空間の保全·活用による段階的な街区再編に関する研究: 多雪地域の歴史的市街地、青森県黒石市旧商家町のコミセとカグジに着目して

摘要

地方中小都市の中心市街地では、商業機能の低下、低未利用地の増加が生じ、衰退した市街地の再生が都市計画分野における重要課題のーつとなっている。空洞化した中心部に都市機能を集約することが政策的に求められるなか、そこには「個々の生活再建を前提としながらも新しい価値を持った居住地域」とそのための「全体の目標像となる地域の文脈に即した新たな街区像」が必要であること、そして所有者の保有意識にも配慮した土地の集約化方策の具体化が必要であることが指摘されている。特に開発圧力の弱い人口5万人以下の小都市は、個々の取組を積み上げて段階的な改善を目指すことが望ましい。