他者への'信頼'からみた仮設住宅居住者による支援の受け入れ要因: 東日本大震災における仮設住宅の住環境改善支援に関する実践的研究その2

摘要

This paper examined the ractors affecting residents' acceptance of tne support based on the action research on support for improvement of temporary house and environment after the Great East Japan Earthquake of 2011. Some residents accept because they understood the problems and technology with their knowledge or experience. However, other many residents couldn't understand them enough and depend their decision on "trust" to others. When they build trust, their expectation for ability of supporters as experts is lower than attitude of supporters as volunteers and students. In addition, residents understand supports better after acceptance of them and are more actively involved through their continuous involvement.%東日本大震災では約11.6万戸の応急仮設住宅~(注1))が供給されたが、被害の甚大さ•広範さもあり、供給主体である行政の対応が十分には行き届いていない。特に鉄骨プレハブ造仮設住宅は、建設された仮設住宅•約5.3万戸の多くを占めるが、その仕様は東北の寒冷な気候に適合しておらず、入居者の健康悪化や光熱費負担の増加等の問題が懸念されてきた。さらに、仮設住宅居住者に対する支援をめぐって、支援者-居住者間あるいは居住者間で様々な軋れきが生じている。本稿は、このような仮設住宅をめぐる"支援のミスマツチ"の問題に着目し、仮設住宅住環境改善支援の実践の経験をもとに、今後の被災者支援のあり方を探る研究の第二報である。上記と同様の問題が危惧された気仙沼巿本吉町において、筆者らを中心とする住環境改善支援チーム（以下、「当主体」とする）は、セルフビルドによる暑さ•寒さ対策等の支援を2011年5月頃に開始した~(注2))。そして、同年末までに本吉町の仮設住宅•全523户のうち、支援が特に必要と思われる、性能が相対的に低い309戸への支援の提供を完了した。このことは反省点や問題点も少なからず含むとは言え、当主体の限られた資源にも関わらず短期間で支援目標を達成したという点で一つの"成功体験"であったと捉えられる。