「建設技術者機構」の実態と「国家建設法規」の運用システムに関する考察: イランの「国家建設法規」の内容と運用システムについて（その2）

摘要

The objective of this study is to disclose the structure of Construction Engineering Organization (CEO) and applying system of National Building Codes (NBC) in Iran. The intension of this paper is to understand the effect of CEO in applying system of NBC. The analysis consists of three chapters as follows: Chapter 2 explicates the structure of CEO and its relationship with government. Chapter 3 explicates the organizations that take part of NBC applying system. Chapter 4 explicates the building confirmation system of the NBC.%論点の中心は、「民間建築技術者をメンバーとする非営利組織」でありながら1995年以降建築規制の実行に関して大きな権限を付託されることになったCEO（LCEO）の第三者性であると理解した。設計者と施工者は建築主が決定するとはいえ、各種建築技術者の免許を取得するにはまずLCEOに属していなければならないためいずれもLCEOのメンバーということになり、かつ実施図面の適合性判定を行う業者（設計者）、監理者（インスペクター）の任用にあたるのもLCOEで あるという。今後「運用実態と付帯する問題点」に関する検証を行うとしているが、利益相反の危険をはらむこのような制度がなぜ成立したかについてはもう少し突っ込んだ議論が欲しい。さらには、パフラヴイ一朝崩壊以前の建築法規と（英国がモデルか？）現行法規の連続性、諸法規とイスラム法との関連性、とりわけLCEOの倫理委貝会の権能などを明らかにして欲しいと思う。