建築系学科を設置する高校における進路に関するアンケート調査

摘要

We have carried out this survey in high schools of all over Japan, where the department of architecture has been established. The objective of this survey is to understand the present condition of the course and to find the future challenges related to career guidance. As a result of this nationwide survey, 60% of the students want jobs and 40% want to study further, in average. And, we came to know that 96.5% of the students from department of architecture at high schools want to study further or get employed.%本報告は，全国の建築科のほか，建設科，建築工学科，建築システム科，建築インテリア科等，建築系45学科を設置する高校(全日制·定時制など)を調査対象として，全国規模における進路データを収集し，特に地域別の分析を行っているのが特徵である。本調査により高校での就職希望や求人倍率，就職指導等の状況が把握できるようになり，現代の高校の建築教育に関する貴重なデータであることは評価できる。今後の教育に関するさまざまな取り組みで参照される可能性もあり，現状把握の貴重なデータが得られたものと思う。本報ではこれらのデータから進路指導に関わる今後の課題を見いだすことをテーマとしているが,進路指導や教科教育の具体的なあり方についてまでの考察が少なく，調査結果をもう少し掘り下げて，それぞれのデータから見えてくる詳細な検討に発展させてもらえるとさらに有益な知見となる。著者および委員会としての今後の展開に期待したい。