質量が大きく異なる二層構造物への慣性質量ダンパの適用性の基礎的検討

摘要

An elevated station has a shed above a viaduct. Generally, sheds have extremely smaller mass than viaducts. In a mass-variable 2-DOF structure like elevated stations, large response acceleration tends to be raised on the upper story when seismic motions are inputted. In this paper, as a method of reducing the acceleration, we propose applying an inertial mass damper to its upper story. Through shaking table tests and analyses, it is shown that the large acceleration on the upper story can be reduced by the method.%本論文は，高架橋上の駅舎が持つ課題に対して，地震時の振動性状を改善し，耐震性を向上させる方法として，回転慣性質量(ダイナミックマス)の効果を利用することを提案するものである。またその効果の検証を，代表的なパラメータにおいて振動台実験により行い，さらに振動台実験によって確立されたモデルによって幅広くパラメトリック解析を行うことによって行われている。それによって，合理性と再現性が確保された研究となっていると同時に，その効果の適用範囲を明確にしている。本論文では，最終的に回転慣性質量の効果を刺激係数によって説明することで，普遍性を与えていることは特筆すべきことである。結果として上層部の応答が非常に良く低減されることが提示されている。一方，下層部の応答が多少上昇することも指摘されているが，これについては許容値を示すことによって，問題の重要性を判断することが可能になると思われる。