歴史的街並み再生の初動期における空間演出の実践: 秋田県由利本荘市石脇通りの取組みから

摘要

This research report shows the consideration of regeneration initiatives for historic townscape in the initial stage. Using action research method, we applied two space producing techniques to Ishiwaki Street. One space producing technique is to line up handmade lanterns that are made of bamboo and Japanese paper on the street, the other is to open the Installation in a Machiya house. This research clarified followings.1) The producing by lanterns and Installation provided the opportunities for revaluating the townscape and the Machiya house. 2) The producing contributed to causing of cooperation consciousness for regeneration of the historic townscape.%秋田県由利本荘巿石脇通りにおける歴史的街並み再生の初動期にお ける空間演出のアクションリサーチの報告である。多様な主体の参画 を促しながら，様々なイベントを実践することで，イベント参加者が 歴史的街並みを再評価し，次のステップに進んで行くというものであ る。街並み再生の初動期の取り組みとしては理想的であり，他地域へ の展開も十分にあり得るだろう。若干，気になつたのが，行政との連携である。石脇通りの整備構想 が検討されたものの，立ち消えになったとあるが，建物の保全再生と 同時に通りの整備も一体として検討していく次のステップに進む布石 はどうなっているのだろうか。また，同じような取り組みをしていて 課題として感じるのは，如何にして多くの主体を巻き込んで共感を広 げていけるかという点である。本取り組みでは，どのようにして多様 な主体の参画が可能になったのかという点についても尋ねてみたいと 感じた。