鋳造•凝固シミュレーションの動向と課題

摘要

鋳型空隙部に溶湯を注入して，複雑な形状の金属製品を製造する型鋳造法は，5000年以上の歴史を有するが，今後とも重要な金属加工法の一つである.鋳造法の近年における革新的な進歩は，鋳造シミュレーションの発達であろう.これにより，芸術とも言われてきた経験的鋳造技術が科学を基本とした先進的技術に変身しつつある.すなわち，鋳造シミュレーションと経験を組み合わせることにより，鋳造品のより合理的な開発•設計，製造，評価等が可能になり，高品質化，軽量化，高機能化，製造コストや納期の低減，省エネルギ，環境負荷の低減等に役立っている.