小型飛翔体の遠距離探知試験に基づいた帰還カプセル追跡レーダの考察

摘要

帰還カプセル追跡システムの実現に向け，船舶用レーダの遠距離探知性能を実測レベルで確認し，取得したデータを基に実運用に向けた考察を行った.遠距離探知試験の結果ではσ=0.159m~2の物標に対して最大で17.5kmの探知に成功し，提案システムで設定する400W出力では高度5km以上，距離20km以上でのカプセル探知が可能であることを示した.自動追跡についてはオフラインでの検証ではあるが，比較的簡素な処理で追跡が可能であることがわかった.ただし自動追跡は環境雑音により難易度が大きく変わることが予想されるので，提案システムの実運用化に際しては実際の力プセル回収予定地での環境雑音調査は必須と考える.今後はこの調査に加え，調査結果から得た知見を基に追跡機能の高度化を進めていきたい.