輸血後の定期的な感染症チェックとHBVマーカーの重要性

摘要

症例：30歳，女性.主訴：肝機能障害.既往歴•家族歴：特記すべきことなし.生活歴：機会飲洒のみ.喫煙歴なし.家族歴：とくになし.現病歴：双生児を経膣分娩にて出産する際に弛緩出血からショック状態となり，新鮮凍結血漿20単位，照射赤血球濃厚製剤14単位の輸血を受けた.輸血前はHBs抗原陰性であったが,4ヵ月後(輸血後142 日)に輸血後経過観察目的に行った血液検査において，ALTは正常ながら(14 IU/L)ウイルス量を示すHBV DNA 4.3log copies/mLという結果であり，輸血によるB型肝炎ウイルス(HBV)感染が疑われた.その1ヵ月後（輸血後188日）には,ALT 56 IU/Lと肝障害が出現し.肝臓内科に紹介となった.