サウンド◎メディア きのう•きよう・あす188 スピーカーシステム(12) 音質向上した劇場用音響装置 MGMの独自技術などを応用新会社が「Wシリーズ」開発

摘要

トーキー映画の普及が進むとともに録音再生の技術や音響機器の性能も向上し、映画制作側が映像に対して大きな効果をもたらす音の表現を演出に取り入れるようになった。そして上映する映画館も、音を忠実に再現できる音響システムを要求するようになってきた。映画界のMGMは、このような要求に応えるため、スピーカー「シャラーホーンシステム」を独自に開発した。同スピーカーは非常に音質が良かったので、米国の映画技術協会はこれを標準仕様として設定し、MGMの了解を得て技術仕様を公開。映画関係各社は、この標準形式のスピーカーシステムを採用していった。これに対してWE(ウェスタン•エレクトリック)は、それまでのワイドレンジサウンドシステムに代わる新型トーキー映画再生装置の開発に着手。1937年に「ミラフォニック・サウンドシステム」を開発した。