「骨太方針2019」を閣議決定選挙を控え社会保障は先送り

摘要

政府は6月21日、「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2019)など政府4計画を閣議決定した。骨太方針は10月の消費税率10%への引き上げを明記したが、医療、年金など課題が山積する社会保障制度改革は参院選を控えてか、必要な法改正も視野に年末までに結論を得るとの記載にとどめ、後期高齢者の窓口負担の引き上げといった具体策には踏み込まなかった。国会は終盤、金融庁が公表した報告書に端を発した「老後2000万円不足」問題で大荒れとなり、麻生太郎財務相の「政府の政策スタンスと違うので(報告書は)受け取らない」との発言でさらに混迷の度を深めたことなどから、政府·与党は「衆参同日選」の見送リを決めた。野党は参院選でこの問題を最大の争点に据える方針で、首相周辺は神経を尖らせている。