小規模建築物のための山留め設計の考え方と実施例

摘要

近年，地下室設置に対する規制が緩和され，地下室を 持つ小規模建築物が増加する傾向にある。それに伴い掘 削深さが探くなり，また市街地では土地の有効利用の観 点から敷地境界近傍まで建物を建設するなど，工事の影 響が敷地の周辺に及ぶことも増えている。工事現場に隣 接する建物などに障害が発生した場合には，訴訟に発展 することもある。小規模建築物の地下工事中には図-1 に示すような障害が考えられる。 掘削工事を行なえば必ずどこかが動き，その動きを抑 制するために山留めが施工される。しかし，この山留め は仮設であるため，「コスト」と「安全性」という相反 する条件を満足しなければならない。