特殊バイブロハンマによる岩盤への鋼管杭打込み工法: 引抜き抵抗力を期待する本設杭への対応

摘要

構造物の基礎工事において岩盤に鋼杭を打ち込む場合，通常の杭打ち工法のみでは打込みが困難となるため，岩盤の先行削孔と杭の建込みの2工程での施工が必要となる。一方，ガンパイル工法は鋼杭を穿孔棒として岩盤へ直接打設できることから，従来工法に比べてエ期の短縮が可能で，これまで軟岩から硬岩までの幅広い岩盤に対する鋼管杭，鋼管矢板，鋼矢板，日鋼杭の打込み工法として，300件以上の採用実績がある。図-1にガンパイル工法の原理を示す。長時間の運転に耐えられる特殊バイブロハンマ（ガンパイラー）を用い，低圧ジェット水で岩砕粉を除去しながら先端補強した鋼杭を打設する。従来，ガンパイル工法は，施工完了後の杭の押込み抵抗力や引抜き抵抗力の評価が確立されていないことから，これまで多くは桟橋基礎や締切などの仮設構造物に用いられてきた。しかし，近年，ガンパイル工法を本設杭に適用したいという要望が数多くあり，ガンパイル工法研究会（大林組，東亜建設工業，JFEスチール，ガンケン）では，ガンパイル工法を本設杭に適用するための設計·施工技術を開発し，一般財団法人沿岸技術研究センターの港湾関連民間技術の確認審査•評価(以下，技術審査)を受け，平成28年6月に評価証（第15005号）を取得した。