既設の鉱さい集積場に対する液状化対策

摘要

本稿で対象とする鉱さい集積場(以下“集積場”と呼ぶ)とは，金，銀，銅，鉛などの地下資源の採掘時や選鉱・精練時に発生する捨石や鉱さい，または坑内からの浸出水を中和処理する過程で生成される殿物などを集積し処分するための施設を指す。この集積場の建設の歴史は古く，日本国内に広く点在するが，その総数は正確には把握されていない。集積場を管轄する経済産業省の集計によると，現時点で確認・登録されている集積場は沖網を除く全国で388ヵ所，そのうちの93ヵ所が事業者の廃業や敷地の転売などにより義務者不存在の施設として，地元自治体へ管理が引き継がれている。