CW-QUICの実現場での適用により見えてきた既製杭根固め部ソイルセメントの材料組成と特殊土への適用性

摘要

既製杭埋込み工法は，掘削孔内の泥水中にセメントミルクを注入•撹拌することによって根固め部および杭周固定部を築造し，支持力を得る工法である。この工法は，杭先端の支持層到達とともに，根固め部に築造されたソイルセメントの強度発現が支持力確保において特に重要である。近年では，杭工事の品質確保の社会的な要望の高まりを受けて，一般社団法人日本建設業連合会「既製コンクリート杭施工管理指針」において「根固め部のソイルセメントの未固結試料を直接採取して作製した供試体により，圧縮強度を確認する」ことが推奨された。そのため，に示すように，未固結状態の根固め部のソイルセメント(土とセメントと水により構成される)を採取し，供試体を用いた強度確認の事例が急激に増加している。だが，材齢3日での早期強度を用いた推定を行うまでは，杭の施工方法の妥当性が検証できていないといった課題が存在した。