地域の特性を生かしたエネルギー環境教育の実践: 「石炭」に関わる体験活動を通して自ら考える力を育てる

摘要

要約：釧路地域には，日本で唯一の坑内掘り炭鉱があり，そこで生産された石炭のほとんど は火力発電所で使用されている. 採掘し選炭された石炭は，石炭列車によって港まで運ばれ， その運搬風景は市民にとって親しみのある存在となっている.また水力•火力発電所や太陽 光発電などもあり，エネルギーの「とる」→「はこぶ」→「つくる•おくる」が学べる環境 が整っている.そのような地域の特性を生かし，携わる人々の努力や，化石燃料である「石 炭」の役割を知る体験を通じて，子ども達が地域を見つめ，将来に向けて持続可能な社会を 構築する素地を養うことができると考えた.そこで，小学校3〜6年生における社会科•総合 的な学習の時間•理科の授業を通して，地域と連携しながら取り組んだ「石炭」に関わる体 験活動を実践し，評価した.「持続可能な開発のための教育（ESD)」の理念のもと，体験を 通して自ら考える力を育み，今の自分達にできることで行動を起こしていく.そのような過 程を学校教育を通じて繰り返し行うことで，未来の環境は変わっていくと考える.