業務用ビルのコンバージョンに対応した圧送・重力併用ハイブリット排水システムに関する研究 その4 予備実験による既存排水立て管の排水能力に関して

摘要

現在、我が国において建築ストックの有効活用方法の検討が盛hに行われており、既存建築物のリノベーションと共にコンバージョンが注目を集めている。コンバージョンを視野に入れた建設設計には、大便器や洗面器等の水回り空間の自由な配置手法が求められ、それを実現する手法の1 つとして、衛生器具に圧送ポンプを接続し、小口径の排水管で、こう配の制約なく、排水を排除できる「圧送排水システムが注目されている。1 つの適用例ではあるが、同排水方式を用いることで、図1 のように、排水管が敷設されていないフロアでも上層階からの排水を受ける重力式の既存排水横枝管を活用し、円滑に排水を行うことができるため、対象空間を厨房やトイレ等の水回り空間への用途転向を実現できる。既報1)では上階に設置された既存排水横枝管に圧送排水式大便器を接続する方式を（図2 参照）「圧送・重力併用ハイブリッド排水システム」として提案し、供試排水横枝管システムを用いてその排水性能及び実用性を検証した。