非住宅建築物の暖房時における室内温度気流分布に関する研究 その2 暖房時の外壁断熱性能と空調吹出風量による温熱環境への影響

摘要

外壁の熱貫流率及び空調吹出風量が暖房時の温熱環境に及ぼす影響をCFD解析によって把握した.断熱性能の低下に伴い，居住域の平均気温が設定温度の23°Cより下がるので，居住域平均が同じ温度であるという仮定のもとに空調設備の計画をすることには注意が必要である.また，外壁の熱貫流率が大きい場合，上下の温度差が大きくなり，作用温度が低下するが，この傾向は吹出風量が5回/h以下の場合に顕著となる.断熱性能を向上することで，吹出風量を下げても，上下の温度差を抑えられるとともに，同じ吹出風量でも吹出温度を下げることができ，さらに上下の温度差を抑制できることが確認された.