コミュニティサイクルの運営と導入背景からみた適切なポート形態に関する研究: 東京自転車シェアリング広域実験を対象として

摘要

近年、働き方の多様化が進む中で、現代のライフスタイルに合わせた自由で柔軟な移動手段が必要とされている。1）また、オリンピックに向けた観光客の交通網の補完や、環境負荷の軽減、放置自転車対策などの理由から、東京都の9 区でコミュニティサイクルの広域実験が開始された。2）東京自転車シェアリングは、区と運営を行う民間企業が協定を結び行なっているコミュニティサイクル広域実験事業のことである。この事業によって、ポートと呼ばれる専用の自転車貸出・返却場所の設置が推進されている。東京の広域において、これらのポート空間が都市に展開されることによって、小規模拠点を繋ぐ形でのネットワークが張り巡らされることで新しい都市の形態へと移行しつつある。