家庭的視点からみた自立援助ホームの空間特性: 自立援助ホームの評価に関する研究　その1

摘要

運営と図面解析から、ホームにおける「家庭的」要素として、①元戸建住宅②個室の大きさや形が多様③個室配置が不均一であることを抽出した。中でも、特に、②・③は重要な要素であると考えられる。　家庭的養護と社会的養護とが求められる自立援助ホームにおいて、家庭的運営を重視する運営者は、その器として元戸建て住宅を選び取ることが多い。施設建築を選ぶ場合もより家庭的環境を目指しているグループホームを選択している。住宅建築が有する包容力に期待する一面もあると考えられる。戸建て住宅を活用するということは、地域コミュニティの一環となることでもある。ホーム居住者と地域の関係形成は、家庭的養護と社会的養護の両方につながるが、地域との連関については、今後の課題である。