パルピングおよびバイオマス利用の最新技術: 第59回紙パルプ技術協会年次大会（高松）に参加して

摘要

わが国の2015年紙·板紙生産量は2,623万tで，14年の2,648万tより若干減少しているが,13年の2,624万t並みである.しかし紙だけの生産量を見ると，1,518万t(13年)→1,512万t(14年)→1,483万t(15年）と，確実に減少しており，逆に板紙の生産量は年々増加傾向にある.いずれにしても，わが国では総人口の減少や高齢化進行など，紙（板紙も含めて）の生産量が以前のように3,000万tを超える見込みはほとんどない.一方，バイオリファイナリーの中核を握るセルロースナノファイバーのプラントは目白押しで,16年4月に大王製紙·三島工場では年産100tのプラントが稼働し，王子ホールディングス•富岡工場で40tが今年中に，中越パルプ工業·高岡工場では10tが本年度中にそれぞれ稼働予定であり，来年になると日本製紙·石卷工場で500tのプラントが.さらには日本製紙ケミカル.江津工場の30tが加わる予定で，木材の紙以外の用途への利用が進む状況にある.