バイチャイ橋の施工: ベトナムに架かる世界最長の1面吊リコンクリート斜張橋

摘要

現在，ベトナム北部では1992年のドイモイ政策開始依頼，急速に社会資本整備が進んでいる。この中で国道18号線はハノイ近郊のノイバイ空港から中国との国境であるモンカイまでを結ぶ約360kmの1級国道である。この路線整備の中でほぼ中間地点にあたるハロン湾を横断する地点に架設されるのがバイチャイ橋である。以前は中国からの物流はこのハロン湾で分断され，湾の中国側とハノイ側では供給物資量に大きな差があった。現在はフェリー便によって物流はあるが，交通量の増加から慢性渋滞の状態となっており，よりスムーズな交通の確保が架橋地点付近だけでなく全路線の発展において急務となっていた。また，湾奥のカイラン港の整備により，コンテナ船などの大型船の航行量が急増している。この大型船とフェリーとの平面交差をさけ，安全性を確保するためにも本橋は早急な完成 が望まれていた。