フェアレディから派生した瀟洒なクーペ

摘要

初代シルビアが生まれた1960年代前半という時代は、戦後復興による海外メーカー車のノックダウン生産を経て国産車が内製されはじめたばかり。だが技術の進化と貪欲な開発精神は日本人の持ち味で、'60年のトリノショーにプリンス自動車はジョバンニ•ミケロッティがデザインしたスカイラインスポーッを出展。国産車離れしたスタイルはオープンとクーペの2タイブが用意され、'62年4月には市販を開始している。これと歩調を合わせるように、'62年の第9回全日本自動車ショーには日野自動車工業からコンテッサ900スプリントという、やはりミケロッティがデザィンした流麗なクーペが展示された。ルノー4CVの完全国産化により技術を習得した日野が、スカイラインスポーツに刺激されたことは明らかだろう。これに各自動車メーカーは大いに刺激を受けたのは当然のことで、以後はヨーロッパ人デザイナーによる国産車が数多く開発されていく。