屋内大橋の修復: 重要文化的景観を構成する沈下橋

摘要

屋内大橋は，高知県西部を流れる一級河川四万十川の下流にある四万十市西土佐口屋内地区に，昭和30年に架設された沈下橋(潜水橋)である.屋内大橋は，四万十川流域の主要産業であった林業と，流域周辺の生活を支える重要な橋として地域住民に親しまれてきた.また，アーチ橋を思わせる独特な形状は，「アール・ヌーヴォーの沈下橋」あるいは「ガウディの建築物を思わせるデザイン」とも比喩され，優れた周辺自然環境と相まって，1980年代に起こった「四万十川ブーム」以降，屋内大橋周辺は観光スポットとして地域外交流人口を受け入れる側面も持つようになった.