アソドロイドは示方書の夢を見るか？

摘要

土木工学は経験工学といわれている.対象物の空間的• 時間的スケールの大きさ，自然環境および社会環境に起因 した境界条件の複雑さや不確実さなどのために，理論的根 拠のみに基づくことは困難であり，実践と失敗の繰返しに よって構築されてきた工学だからであろう.こと橋梁の設 計に関しても，これまで数多くの失敗に学ぶことで，安全 で合理的な構造設計が可能となってきた. 技術の蓄積が 進み，暗黙知を形式知とすることで，技術基準やマニュ ァル類が整備され，構造物に対して一定の品質が確保で きるようになった. その一方で，基準化が設計の自由度を 奪い，マニュアル化が設計者の思考停止を招くことになれ ば，新たな構造の創造は困難な状況となる.果たして，構 造設計に未来はあるのか？