特集：東北地方における橋梁の品質と耐久性確保への取組み

摘要

日本の道路インフラは，いよいよ大規模更新·大規模修繕の本格着手時代に入り，事業化が逐次進捗しつつある．このような背景の中で，新規建設工事においては，後世の負担を極力軽減するため，長寿命化が求められている．しかしながら設計基準等の想定を超えた供用環境や新たな劣化事象によるコンクリート構造物の早期劣化現象が散見され，解決すべき課題となってきている． 国土交通省東北地方整備局は，東日本大震災からの復興プロジェクトとして，三陸沿岸道路を復興道路，東北縦貫自動車道から太平洋沿岸部を結ぶ横断道路3路線を復興支援道路として位置づけ，事業化している．これらの復興プロジェクトは，短期間で集中的に構造物を建設するため，将来のメンテナンスコストの集中を考慮した長寿命化が強く求められる．一方，東北地方特有の複合劣化要因や新たな劣化現象への対応が必要となってきている．