橋をつくる意志と希望

摘要

好きな橋はなんですか.そう問われて迷わない人はいないのではないでしょうか.サルギナトーべル.ギヤラビ高架橋.あるいはミヨー高架橋.はたまた天神橋.つぎつぎと名橋がならびます.その一方で，車窓からちらっと見えるなんの変哲もない橋，儚げな橋にも心惹かれます.随分と昔，中部地方の雑誌に短い文章を連載していました.そのなかで新幹線からちらりと見える清水橋について書いたことがあります.名古屋駅と三河安城駅の間.境川を渡るコンクリート変断面桁橋です.来歴はわからないのですが戦前の橋でしょう.文化財になるようなものではなく，当時としてはスタンダードな構造，意匠ですが，徐々に架けかえられて残るものは少なくなつていると思います.そういえば，郡上八幡新橋の旧橋もこの形式でした.