常識を覆す新発見—高強度と高靱性を両立させる調和組織金属材料

摘要

金属材料の最大の特長は鏡造ゃ塑性加工によりさまざまな形状の製品を製造できることや，結晶粒超微細化などの組織制御，合金設計により力学特性等を容易に向上させることができることである.材料をより高強度にすれば，部品の小型化や軽量化につながり，省資源，省工ネルギー，温室ガス排出低減に貢献できる.しかし，金属材料は高強度化するほど延性が低下する，という強度と延性のトレードオフが避けられず，そのため靱性も低下する.すなわち，従来の材料学の常識として.強度と延性は二律背反の性質であつた.