原子力の平和利用を支える保障措置: 日本原燃の六ヶ所再処理工場で本格実施へ

摘要

2006年3月から最終段階のアクティブ試験に入った日本原燃（株）の六ヶ所再処理工場（青森県六ヶ所村）は、11月にはウラン・プルトニウム混合酸化物（MOX）製品の生産を開始し、保障措置も本格化している。この施設では、他の原子力施設に比べ多量のプルトニウムなどを取り扱うことから、核物質が平和利用のためだけに用いられていることを確保することを目的として、従来にない多重システムによる高度かつ透明性の高い保障措置が構築され、国や国際原子力機関（IAEA）による厳しい管理や査察が行われている。このような取り組みにより、再処理事業はもとより、わが国の原子燃料サイクル事業全体の平和利用が世界に示されることになり、今後の保障措置の適用モデルとして、国際的にも木きな関心が寄せられている。