海水淡水化での原子力利用の可能性

摘要

砂漠地帯のように年間降雨量が少ない地域、降雨量が多くても貯水する手段がない地域（赤道直下の小さな島嶼、日本では沖縄など）では、飲料水確保が困難である。中近東では、昔から真水の生産のため、海水の淡水化を利用している。サウジアラビアでは、海岸線に淡水化施設を設置し、数百km離れた首都リヤドまで送水管により水を輸送している。これら周辺の地域では、淡水化に必要なエネルギー（電力あるいは熱）は、国内で生産されるオイルを用いた火力発電プラントから供給されている。