「無形——有形•RCRアーキテクツ」展: チェコ共和国、チェスケー•ブジェヨヴィツェ、ハウス•オヴ•アート現代美術建築ギャラリー

摘要

ランドスケープは、RCRのすベての作品において非常に重要な役割を担っている。敷地は彼らのデザインの1要素としてだけでなく、物理的、形而上学的な基盤ともいえるものである。それぞれの場所で彼らが見出す本質的な要素が、作品に独自の独特な空気をもたらしている-そしてそれは、あらゆる種類の庭園のルーツとして見られるような、失われた楽園という概念を構築する。RCRのランドスケープは、有形、無形の双方において、建築と自然の区別がつかない、真の秘密の庭園に変化するのである。RCRの庭園は常に、自然とその繊細なプロジェクトに発生する相互作用の産物なのである。それは内と外の間、あるいは作品とその下にあるランドスケープとの関係を曖昧にするかのような、複雑な境界線の連なりである。そこでは建築が、ランドスケープそのものとして生じるのだ。つまり一定の時間——雲、雪、雨、闇、そして太陽と月が通り過ぎる時間——を必要とする建築である。この独特のランドスケープは溶岩流、採石場、玄武岩の柱、溶岩丘、そして波うつ地形が湿地や小川、湧き水、または牧草地、コケ、ブナ森やカシの林などの木々と共生する場所だ。そしてそれらはほとんど気付かれないうちに、RCRの素材の色である黒、灰色、赤やオレンジ色といったスティールや火山の色とも共存している。RCRの秘密の庭園を、1枚のイメージによって説明することは不可能だ。選び抜かれた何枚もの面を連ねることによってのみ、その多様な深みの発見へと導かれる。そして日本庭園がそうであるように、RCRの作品を理解するためには、現実にその建築に触れ、体験するしかない。その路を歩き、その場の空気を吸い、細かなディテールにまで至る彼らの繊細さやそこにある空間の関係の巧妙さを慈しむのだ。