ニッチな神社仏閣

摘要

曰本では八百万の神々がいると信じられており、様々な信仰が存在します。これまでの連载では、一般的な神社仏閣や神々の在り方についてお話してきましたが、今回は、多様性極まる神々の存在や、ニッチな神社仏閣を紹介し、それらが発生した背景などについて記述したいと思います。全性寺は、群馬県安中市にある曹洞宗の寺院です。永禄11年（1568年）の開基とされ、約450年もの歴史があります。一方でこの寺院は、1990年に世界で唯一といわれるゴルフ観音菩薩（正式名称を悟留譜（ゴルフ）観世音菩薩といいます。）が祀られ、ゴルフ寺としても注目を集めています。実はこの一帯、ゴルフ場が数多く整備されたことで、その従業員や家族、プレーャーが多く、地域の安全と隆昌を願ってこの観世音菩薩が安置されたのです。その後、徐々に口コミでお参りする方が増え、噂を聞きつけたプロゴルファーもお参りするくらいで、ゴルフ関係者の聖地として不動の地位を築いています。このように、時制に適した神仏が存在するのは、八百万の神々の概念から見ても別におかしいことではなく、それを信仰する人々の思いがかたちになったということです。ちなみにこのゴルフ観音菩薩の向背には、13本のクラブと1本のパターの合計14本をもっています。これには意味があり、仏教の「八正道」（8説）と「六波羅蜜」（6説）の教えをを足した数になっています。要するに、クラブも出来事も、1つ1つよく見極めることが、ラゥンドにとつても人生にとってもすごく大切ということを伝えているのです。お供え物は、もちろんゴルフボールが多いようです。