現用であり続けること-建築資料のトリセツと製造レシピ

摘要

建築は三次元であり、その建つ場所の制約を離れられ ない複製不可能なシロモノである。そのため、その建築 の持つ内外の素材感や空間の雰囲気や周辺環境や匂いや 寒暖の状況などは、その場に行かなければわれわれは知 る術がない。また、同じ建築でも竣工間近の表情と経年 した表情は異なる。 そこで、建築およびその成立過程などの情報を伝達す るために、普請帳や注文書・仕様書等の文書や、絵図・図 面類・写真等の紙媒体による視覚的記録物、模型や音声・ 映像等の多様なメディアによる記録物が存在する。これ らが「建築資料」になりうる。