災害復興住宅にみる臨床性

摘要

建築がクリニカルである、という認識は病院を除くと一般的ではないだろう。用強美と言われるように建築は機能的で強く美しい。近年は、経済的、エコロジーが重視されつつあるが、クリニカルな側面は一般的に意識されない。しかし、建築とは明らかに人の心に働きかける器だ。美しい建築に身を置き、感動した経験は忘れがたい。建築には本来的に心に働きかけるカがあり、それは、医療や看護、介護施設、宗教施設のみならず被災者の住まいにおいても大切だ。ここでは、災害復興住宅の臨床性について考えてみたい。